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「あんただって、こんなやりかたが搦め手だというのはわかっているんだろう?」
セドリグは、冷笑しただけだった。
俺は、畳みかけるように、
「こんなのが正攻法じゃないことだとわかっているんだろう」
と、言葉を向けた。
「正攻法だけ声高に掲げることだけが正解だとは思わないな」
セドリグは、飄々(ひょうひょう)とした調子で言った。
「正攻法じゃないってことは認めるんだな?」
「……ほう」
「後ろめたいからな、お供もつけずにこっそりとか」
俺は、意図的に煽るような言葉をぶつけてみた。
「……何だって?」
セドリグが、眉をひそめた。
「俺たちみたいな冒険者駆け出しのパーティーに影からこそこそと闇討ち……堂々と言える戦術でもないからな」
俺は、言いはなった。
「……言うじゃないか」
さすがにかちんときたのか、セドリグは、苦々しい顔をした。
(……)
先ほどから辺りの気配を探っているのだが、どうやら俺たち以外の人の気配はなさそうである。
セドリグが単独でこの森に来ていることは、ほぼ間違いないだろう。





