表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

666/4632

4-453

「僕に、これ以上彼を傷つけさせないでくれ」


 優しさを(よそお)ったとってつけたような言い回しだった。


 柔らかい言葉づかいに隠れている悪意、無味無臭(むみむしゅう)の毒薬のようなものだ。


(……こいつ)


 俺は、心中顔をしかめた。


 交渉でも何でもない、ただの(おど)しである。


「政略結婚めいたことをしようとしているやつが、よく言う」


 と、俺は、(あき)れたように言った。


「何か勘違(かんちが)いしているようだね」


 セドリグは、せせら笑った。


「僕は、イフのことが嫌いじゃない」


「でも、好きでもないんだろう」


 俺は塩対応に(てっ)しながら感情を抑えながら言った。


「ほう?」


「好きな相手に、こんなバカげたことをするはずがないものな」


 感情を抑えながら言ったつもりだが、いらだちを完全に隠すのは難しかった。


「大人の事情というやつだよ、ココノエ君。子供の君には、まだわからないかもしれないけどね」


 と、セドリグは、頭を軽く振って言った。


 俺は、セドリグを見て、


「ださい言いかただな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42bpk4s771sz1iupmgjda531438n_aix_5k_8c_2
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ