表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

650/4618

4-437

 おそらく、結婚の条件の一つに、イフが冒険者をやめるというのがあるのではないか。


(結婚……か)


 数日前まで一介(いっかい)の学生にしかすぎなかった俺には、(えん)もゆかりもない言葉だ。


 ゆえに、理解からもほど遠い、いや遠すぎる。


 俺は、イフをちらりと見やった。


 むんっと控えめな胸を張ってしっかりとした姿勢で立っているイフである。


 通常運転モードに戻りつつあるようだ。


(とりあえず、もう大丈夫そうだな)


 俺は、心中苦笑した。


(イフのじいさんとは面識はないが……)


 リリーカルナ商会の会長すなわちイフの祖父が、イフに跡継ぎになってほしいと願っているのならば、理解は難しくはない。


 商会の仕事に専念(せんねん)してほしいだろう。


 それに、何といっても冒険者は危険と隣り合わせの職業である。


 孫に商会のことをゆくゆくは任せていきたいと考えているのならば、冒険者稼業(ぼうけんしゃかぎょう)は、いろいろな意味で微妙なラインだ。


(この商会の合併がらみの話……)


 ノーハン商会の拡大をもくろむセドリグとリリーカルナ商会を安定させたいイフの祖父との思惑(おもわく)が、一致したのだろうか。


 どちらがどう話を持っていったのだろうか。


 どちらかがそそのかしたのかたぶらかしたのか。


 どちらも乗り気だったのか。


 すべては、俺の憶測(おくそく)を出ないところだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42bpk4s771sz1iupmgjda531438n_aix_5k_8c_2
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ