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この異世界では、冒険者の実力と実績は、階級という形で表される。
冒険者ギルド全体で公認されている測定魔法陣"六芒星測定"によって、十九の階級に分けられるのだ。
分け方は、理解がしやすい。
AからFまでの六段階があり、Aのほうに寄るほど高い階級である。
さらに、各段階は、シングル・ダブル・トリプルと三つに細分化される。
Fの段階で言えば、F、FF、FFFと階級が順に上がっていく具合だ。
トリプルの次は、次の上位のアルファベットの段階に移行する。
FFFの一つ上は、Eというわけだ。
AAAが最上位の階級で、Fが最下位の階級となる。
番外として、AAAをも凌駕するSが存在する。
そして、階級を上げていくには、クエストの達成で得られる階級ポイントの蓄積という実績と、それにふさわしい冒険者自身の実力が求められる、という仕組みだ。
俺の階級はEEEで、イフの階級はFFFである。
上から数えた場合、俺は十四番目の階級で、イフは十七番目の階級ということになる。
冷静に客観的に見た場合、俺たちは文字通りのかけ出しレベルだ。
一方のセドリグの階級は、召喚の魔法が使えるということで、少なくともD級以上というわけだろう。
単純に見て、冒険者ギルド規定の階級では、セドリグが俺たちよりも格上ということだ。
「セドリグさんにあんなに魔法の素養があるなんて……知りませんでした……」
イフが、動揺の感情を押しこめた調子で言った。
「意識しすぎなければ、どうということはない」
俺は、歯切れよく言った。





