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俺は、頷いた。
スライムたちは、すでに隊列を組みはじめていた。
何個体ものゼリー体がうごめいていた。
(……やつの力をはかる材料にはならないかもしれないが……)
と、俺は、思いながらも、
「召喚の魔法というのは、難易度が高いのか?」
と、イフに聞いた。
剣と魔法のRPGの世界では、召喚の魔法というのは通常の魔法とは毛色が違う。
一口に言えば、特殊な魔法である。
扱える者も通常の魔法使いではなく召喚士などと言われる特殊な職業の場合が、多い。
特殊な魔法を扱う特殊な職業である。
そうかといって、魔法使いより召喚士が格上という式は決して成り立たない。
例えば、魔法使いが扱う強力な炎の魔法と召喚士が扱う初歩的な召喚の魔法であれば前者が格上だろうし、その逆もまたしかりである。
一概には、どうこうは言えないだろう。
それでも、この異世界における召喚の魔法の位置づけとそれを扱う者の位置づけを知っておいたほうがいいと思ったのだ。
「……召喚の魔法は、その魔法の起動自体に、相応の詠唱の技術が求められます」
と、イフは、言って、
「冒険者の階級で言えば、召喚の魔法が扱える時点で、D級の要件を満たします」
と、続けた。
「……D、か」





