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目をつむってしまうようなまぶしさのなか、
「這い出でよ……っ!」
セドリグの言が、エコーのようにわっとこだました。
閃光は、一瞬だけだった。
そして、一瞬にして、スライムの群れが現れた。
(……っ!)
予想していたとはいえ、俺は、心中呻かざるをえなかった。
その数、二十匹あまりである。
俺たちとスライムの群れとの距離が五十メートルもとい五十ルトーメ、スライムの群れからセドリグまでの距離が五十ルトーメ、そのような布陣になったかっこうだ。
その布陣たるや、俺たちを攻撃するようでもありセドリグを守るようでもある。
攻守一体の配置といえるだろう。
「……なるほどな。それがあんたの答えってわけだ」
と、俺は、スライムの群れにも注意をはらいながら、セドリグに言った。
「ああ。君たちが知りたがっていた答えの一つだよ」
セドリグは、杖を斜めに携えたまま言った。
「……ソラ。召喚の杖です」
と、イフも、スライムの群れを見すえながら言った。
「さっきそう言っていたな」
俺の言葉に、はいとイフは頷いた。
「実物を見るのははじめてですが、その名の示すとおり、モンスターを召喚する杖です」





