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セドリグと俺たちとの間、ちょうど真ん中ぐらいの場所だ。
赤い光は、あっという間に巨大な魔方陣へと変貌をとげていた。
「魔法陣……っ!」
イフの瞳が、大きく揺れた。
魔法陣が、地面に展開されていた。
「魔法……陣……」
と、俺は、イフの言葉をなぞるように言っていた。
魔法陣である、見まごうことなき魔法陣である。
俺のいた世界でよくRPGゲームや漫画でアニメで見たような、魔法陣によく似ている。
コンパスで描いたような形の整った外周の円が、目につく。
その内側にも、それよりも小さい円が、何重かになって描かれている。
細かな文様や幾何学文字などがびっしりと刻まれていた。
俺の浅薄な知識から憶測するに、力ある言葉とか呪文とかルーンとか、そんなものなのだろうか。
目の前の魔法陣は、冒険者ギルドで見た測定魔法陣"六芒星測定"、これの巨大バージョンといったところだ。
「……来たか」
と、俺は、眼前で展開される光景に目を細めた。
魔法陣の外見についてとうとうと言ってみたがなんのことはない、この戦闘でも幾度となく見てきた魔法陣そのものである。
ようは、俺たちがさんざん見てきた召喚の魔法陣は、目の前のセドリグによって生成されたものが、明らかになったということだ。
ぱああっと魔法陣全体から、上空に伸びていくような閃光が立ち昇った。





