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 商売の内容としては、俺のいた世界での総合商社のようなものだろう。


 商社とは、物資の販売を業務の中心にした商業を営む業態の会社である。


 広い意味では、ものを作る製造業や労務を提供するサービス業や土地や建物の売買や賃貸を行う不動産業などとも、深く関係してくるらしい。


 販売業なのに他の業種も関係してくるというのだ。


 ぱっと聞いただけでは、のみ込みにくいロジックだ。


 このあたりのことは、学生だった俺には、今ひとつ理解できないところだが、そういえことらしい。


 そして、総合商社とは、取り扱う商品が非常に多い商社のことだ。


 武器屋の親父の言葉を借りれば、ノーハン商会が取り扱っているものは、まさに「武器から食料まで」といった感じだろう。


 以上の情報をまとめてありていに言うと、とにかく大きな会社、である。


 こういう表現がしっくりくるような気がする。


 俺のいた世界で言うところの、上場企業(じょうじょうきぎょう)のような大手(おおて)の会社もとい組織だ。


若頭補佐(わかがしらほさ)……か)


 そのような組織のなかでの若頭補佐(わかがしらほさ)という役職は、名前から()しはかるに、けっして低くない地位ではないだろうか。


(それに、セドリグ・ノーハンという名前……)


 ノーハンという姓であるから、ノーハン商会のおそらくは中心であるノーハン家、その一族の人間であると見るのが自然だ。


 ここまでは、問題ない。


 問題なのは、なぜそのような人物がこんな場所にこんな時刻にしかも一人でいるのかということだ。


 そして、その問題に対する答えは、俺のなかでなかば明白になりつつあった。


 カレーのルーの色がおどろおどろしくて食べる前から明らかに(から)そうで(つら)そうであることが何となく明らかな状態ぐらいには、なかば明白なのだ。


 何となくわかっているというあんばいである。

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