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謎の急接近の意気投合である。
仲よくなるのはいいことだ、俺がとやかく言うことでもない。
ただし、俺と湊はただの兄妹だ、彼氏彼女でも何でもない。
そこは、女子トリオに勘違いされたままだと何となく気恥ずかしかった。
訂正したくなった俺は、すっと手を上げて、
「一言いいか。俺と湊は、きょうだ……」
湊が、ずんっと俺の前に立って、やや早口に、
「今日だってこんな感じですからっ! 苦労してるんです」
とか、にっこりしながら言っていた。
湊のすさまじい早業で、俺の声はあえなくかき消された。
女子トリオいわく、
「わかるー」「わかるー」「わかるー」
三者三様ではない、むしろ三位一体である。
湊への理解のトリプルアタックである。
それにしても、見事にハモっていた。
そして、女子トリオと湊は、にこにこ顔で見合わせてからの、
「ねー」「ねー」「ねー」「ねー」
この意気投合っぷりだ。
俺は、すっと片手を上げて、
「だから、彼氏とか……」





