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俺は、そう聞いた。
「……べつに」
湊の返事はそっけなかった。
そして、何ということだろう、まったくの不測の事態である。
今までこそこそ声だった女子トリオが、湊の横に並んでいたのだ。
女子Aいわく、
「まったく、一時はどうなるのかと思った。ハラハラさせないでよ」
女子Bいわく、
「優しい彼女でよかったじゃん」
女子Cいわく、
「ドン引き寸前だったけど、ま、いいんじゃないのかな」
さらに、女子Aと女子Bと女子Cすなわち女子トリオは、湊とアイコンタクトである。
きらっきらっきらっぴゅーんなどという効果音まできこえてきそうなほどに、ばっちりなタイミングだ。
「ねー」「ねー」「ねー」「ねー」
四人の声が見事にハモっていた。
女子トリオと湊の間で、謎の連帯感が生まれていた。
予想外の展開にとまどう俺である。
俺は、心中肩をすくめながら、
(……まあ、いい)
と、思った。





