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あらためて、湊の試着した黄色のロングスカートである。
(ふむ……)
肩にフリルがついた白のトップスとのバランスも、悪くない。
上と下、トップスとボトムスで、ジャンルの齟齬がないのだ。
湊が、先ほどまでの嵐のような勢いはどこにいったのやら、しおらしい感じでちらちらっと俺のほうを見ている。
「……」
特筆すべきは、やわらか感が豊富だということだ。
優しく空気を包みこんでいそうな、エアリー感がすごいと言ったらいいのだろうか。
ふわふわしていて女子感が二割増しになりそうな、そんなデザインである。
大人のサラリーマンがスーツだと二割増しネクタイをしているとさらに一割増し、みないなものなのかもしれない。
湊はと言うと、あうあうとかつぶやきながら少なからず動揺していた。
「うん。やわらかい感じだし、いつもと違う女の子感があるって言うのかな。俺は、好きだよ」
と、俺は、湊に言った。
「……っ!!!」
湊は、はっと息をのんだ。
湊の頭の上に、大きくエクスクラメーションマークがさらにとんっと浮かんだような感じだった。
トリプルエクスクラメーションマークのせである。
漫画で言えば、カラーページになっていそうなほどの勢いのトリプルビックリマークである。
「……ぁぅぁぅぁぅ……」
湊の頬が、ぼっと真っ赤になっていた。





