表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

611/4611

4-398

「……お、おう?」


 俺の返しも、的を射ていない感じだ。


抑揚(よくよう)とかフォールとかこぶしとかそういう話じゃないよねっ?」


 湊は、むんっと綺麗な眉をつり上げつつ、


「カラオケの採点とかそういう話じゃないよねっ?」


 と、湊は、矢継(やつ)ぎばやに言った。


「……お、おう?」


 こうなると、嵐が過ぎ去るのを待つしかなくなる。


 消極的などと言うことなかれ、だ。


 事なかれ主義と揶揄(やゆ)されても、実際にそうするしかない場合だってあるのだ。


(……ままよ)


 俺は、心中肩をすくめた。


 街の中で、嵐に見まわれる。


 すさまじい雨あし、すぐにずぶ濡れだ。


 嵐のどしゃ降りの中で折りたたみ傘をぶんぶんと振り回したところで、抵抗のての字にもならない。


 ぽきっと傘のほねが折れてそこまで、ジ・エンドである。


 折れなくてもひしゃげたりすること、そこそこの確率だ。


 雨宿(あまやど)りをしつつ、待つしかないのだ。


 これは、妹がいる賢明な諸兄姉(しょけいし)ならおわかりいただけるだろう。


 俺たちの動向を見守っていた女子三人組すなわち女子トリオはと言うと、おのおの戦慄(せんりつ)していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42bpk4s771sz1iupmgjda531438n_aix_5k_8c_2
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ