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2-30

 俺が迎えうつ姿勢をとると、イフは、俺の顔を見て、控えめに頷いた。


 手を出すなということだろうか。


「そんな危なかっしい真似させられるわけないだろう……!」


 イフの白銀の髪の小さなサイドテールが、ふわりと触れた。


 イフは、小さなガラス瓶を、取り出していた。

 

 女の子らしい可愛らしいデザインの瓶には、淡い赤色の液体が、入っていた。


「えいっ」


 コルク栓を取ると、イフは、その小柄な体全体を使って、まるでタクトを振るうように、ガラス瓶を振った。


 ガラス瓶からこぼれだした淡い赤色の液体が、宙に踊ったかと思うと、きらきらと輝いた。


 まるで、単色の小さな虹である。


(綺麗……だ)


 と、俺は、思った。


 不謹慎にも、俺は、思わず見とれていた。


()ぜよっ、"小さな(リトル・イグニス)"!」


 イフのかけ声とともに、スローモーションのように輝きが放物線を描いたように見えたかと思ったら、次の瞬間には、その軌道線上に、炎の(かたまり)がつくられていた。


 炎の魔法を現実に目の当りにしたら、こんな感じなのだろうか。


 もう少ししょっぱく表現すれば、化学反応で、大気中で小さな爆発が起こったような感じだ。


 いずれにしても、イフのつくり出した炎は、俺にとって、非現実な事象の顕現(けんげん)そのものだった。

 

 小さな爆風が起こって、チンピラCの身体が、大きく吹き飛んでいた。

 

 勝負あったようである。

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