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 インターネットで(あさ)った程度の知識だが、疾病負荷という言葉がある。


 これは、経済的コスト・死亡率・疾病率で計算される、特定の健康問題の指標を、いう。


 疾病負荷を、障害調整生命年という考え方で、値化すると、全世界で見た場合、上位を占めるのは、虚血性心疾患、下気道感染症、脳卒中、などらしい。


 どれも、一度は、聞いたことぐらいはある病気だ。


 これらは、疾病という言葉を連想しやすい。

 

 疾病の病という漢字が、病気の病という漢字と、被っているからかもしれない。


 一方で、疾病を連想しにくいものの、疾病負荷の上位に入っているものは、交通事故だ。


 交通事故の発生件数と交通事故による死亡者数は、必ずしも、比例関係になっていない。


 これは、国ごとに、道路事情や医療事情が異なるからだろう。


 道路事情が芳しくなければ、例えば、車と車の接触事故や車と歩行者との接触事故も、起こりやすいだろう。


 医療事情が芳しくなければ、例えば、接触事故に見まわれた者が適切な治療を受けらなくて死亡してしまうケースも、あるだろう。


 ちなみに、俺の国での死亡原因に占める交通事故の割合は、幸い低めだ。


 道路事情と医療事情が、高い水準にあることを示しているのだろう。


 しかし、ただ低めなだけだ。


 統計上の数値で、低いだけだ。


 低いだけで、交通事故は起こり続けていることにかわりはない。


 現に、この俺は、交通事故で死んだ。


 当事者にとって、統計上の数値は気休めにもなりはしないのだということを、俺は身をもって知った。


 俺の頭の中では、交通事故の光景が走馬灯のようにフラッシュバックしていた。


 あれは、夜の十時を過ぎた頃だった。

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