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ところがどうだろう、今回のセドリグの件は違う。
(こいつとは、昨晩はじめて会った……)
昨日は冒険者ギルドの酒場での初対面、それから今日はネムリアの森での遭遇、である。
何と言っても、昨日の今日なのだ。
昨日の今日で、そこまで変わるものだろうか。
時間にすれば、二十四時間も開いていないのだ。
セドリグの気配の圧倒的な変容に、俺は、おおいに翻弄されていた。
完全に日が落ちかかっている。
森の中というのもあるだろう、暗さがますます増していた。
「……」
無言で上を仰げば、空は薄紫に染まりつつある。
視界がききにくくなれば、戦いにおける不安定要素が増えることになる。
このにらみ合いが長引けば長引くほど不利になる、そんな気がした。
(それとも……)
俺は、眉をひそめた。
セドリグが俺よりも一枚も二枚も上手で、昨日は完全にこういった気配を隠していたのだろうか。
そうだとすれば、セドリグは、なかなかの役者だ。
(……ありえない話じゃない、か……)
と、俺は、思った。
それとも、俺の判断力が鈍っているのだろうか。





