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こういったギャラリーには、自身もプレイヤーである者のほかにもギャラ専の者も多い。
ギャラ専とは、自身はプレイヤーではなくもっぱらプレイを鑑賞する、ギャラリー専門の者をいう。
ギャラ専と一口に言っても、ここでもいくつかのパターンに分かれる。
「もうかれこれ通いはじめて五年くらいかなあ……」
などと言う、そのゲーセンの常連のギャラ専やら、
「そこはね。小足をこすればよかったのにね。小足ね」
などと言う、知識が豊富な解説が得意なギャラ専やら、
「メロンクリームソーダの大きいサイズがマイスタンダードなんで」
などと言う、缶ジュース片手にゆるく見物しているギャラ専やら、様々(さまざま)だ。
「座ったあああ……っ!」
こそこそ声ながら、わっと場が盛り上がる。
猛者は、アーケードの筐体の前のパイプの丸椅子に座る所作からして、ギャラリーの注目を集めているのである。
「インカムううう……っ!」
こそこそ声ながら、ざわっと場が盛り上がる。
猛者は、コイン投入の所作からして、ギャラリーの好奇の眼差しにさらされてもいるのである。
猛者は、落ち着いた物腰で硬貨を投入口にいれる。
ギャラリーにも、緊張がはしる瞬間だ。
そうして、やっと猛者のプレイがはじまるのだ。
ゲームセンターのお約束の風景だ。
しかし、お約束だからこそ、ゲーセンに集いしゲーマーたちは沸き立つのだ。





