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互いに様子見、お見合いのシチュエーションである。
軽度の膠着状態といったところだろうか。
(それに、やつのあの顔……)
男性の顔は、自信に満ちあふれていた。
俺のいた世界のゲームセンターすなわちゲーセンの凄腕のプレイヤーを彷彿とさせる、自信たっぷり感である。
自信たっぷりのプレイヤーというのが何たるかは、ゲーセン通いの経験のある諸兄姉ならば、すぐに理解できることだろう。
自信たっぷりのプレイヤーは、言うところの強者である。
猛者と言ってもいいだろう。
ジャンルは、格闘ゲームすなわち格ゲー、STG、音楽ゲームすなわち音ゲー、何でもいい。
歴戦の猛者のプレイを、目の前で見たことはあるだろうか。
猛者は、大げさに言ってしまえば、その身にまとっている空気からして違う。
「対空、見てから余裕でした」
「勝ちにこだわりすぎると負ける」
「あおってこいや」
その名言は、数知れず、だ。
ブームにのって、語録の本まで出版された猛者もいるぐらいだ。
そんな彼らの戦いは、アーケードの筐体の前に立った時から、すでにはじまっている。
何となれば、それなりに名の通っている猛者であれば、筐体にコインを投入する前からいや筐体の前に座る前から、すでに戦いははじまっているからだ。
これは、どういうことか。
ギャラリーが集まりはじめるのである。





