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俺は、親指を自身のあごに触れさせながら、
「……いや、やっぱり、その返事、不吉だし不穏なイメージをぬぐえないぞ……?」
「あ、ありえないDEATHっ!」
と、イフは、むっと反駁した。
「なぜだか黒装束とか鎌とか骸骨とかそんなイメージが頭の中をよぎったんだが……?」
「そ、そんなことないDEATHっ!」
むんっと気合いを入れるポーズのイフの膝は、かくかくと震えていた。
二人して、なんともちぐはぐな会話を交わしているものである。
「……平気か?」
俺は、同じようなことをイフに聞いた。
「は、はいっ。ソラも、平気……ですか?」
と、イフは、こくんと頷きながら聞いた。
「……ふっ……問題ない」
俺は、軽く息をつきながら返した。
誤解のないように言っておきたい。
只今にして息をもらしたのは決して格好つけでも何でもないのである。
俺の身は、重篤な事態に陥っていたのだ。
賢明な諸兄姉なら、おわかりだろう。
すなわち、重篤な事態アゲインである。
あの時と同じだ。





