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 イフの放った擬似魔法の水の刃は、デエカの大木を、(なな)めに袈裟懸(けさが)けにしていた。


 ずずっという重たい音が、こちらまで響いてきた。


 思いきり手応えありのようだ。


 正確な魔法による狙撃(そげき)である。


「直撃……ですっ!」


 水の刃は泡となってはじけ飛び、泡は水蒸気となって蒸発していった。


「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお……っ!」


 突如(とつじょ)として何者かの驚愕(きょうがく)の声があがった。


 おそらくは、大木の影に隠れていた人物の声だろう。


 この感じからして、男性だろう。


 デエカの大木が、音を立てて切り裂かれた。


 そのまま、ずずずっと大きな音が鳴り響いた。


 一本のデエカの木が倒れこんでいったのだ。


 どす黒く赤い光をまき散らしていた召喚の魔方陣は、急速に収束(しゅうそく)していった。


 この様子たるや、まるでどんどん(ふく)らんでいっていた風船が、急に空気を抜かれて、どんどんしぼんでいっているようである。


 召喚の魔方陣の術者である人物の詠唱が途中で止まったので、魔方陣の生成も止まったのかもしれなかった。 


 やがて、魔方陣は、跡形もなく消え去った。


(……とりあずの脅威(きょうい)はなくなったな)


 と、俺は、心中そっと胸をなでおろした。


 スライム百匹の群れとの死闘(しとう)は、何とか避けられた形である。

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