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チンピラAは、倒れ込んだまま、沈黙したようだった、気絶したようである。
(後は、一人……)
と、俺は、思った。
「危ないところを、ありがとうございました」
振り返ると、白銀の髪のの女の子が、立っていた。
白銀の髪に、透き通るような白い肌に、白のワンピースの少女は、雪の白さを、連想させた。
メタい発言であるし、そもそも誰に向かって言っているのか定かではないが、俺には年下の趣味はない、ないのだがが、この女の子について、客観的にジャッジするならば、超級の美少女だ。
天才子役美少女とか、たまにテレビでもてはやされたりするが、そういう感じの美少女である。
女神のエスト、宿屋である銀月亭の看板娘のアカリ、そして、この天才子役ふう美少女、出会う少女は、みんな可愛かった。
できすぎた話である。
スロットで、三回連続スリーセブンが出ているような状態だ。
(まあ、出会っただけで、そこで終わるのが、オチなんだろうけどな)
と、俺は、思った。
屈みこんでしまっていたので、背は高くはないだろうと漠然と思っていたのだが、改めて見ると、かなり背は低い。
女の子が背伸びをすると、ちょうど俺の胸元に届くくらいだろう。
膝を擦りむいていて、そこから、かすかに血が出ていた。
「大丈夫?」
それが、俺が女の子に投げかけた第一声だった。
「このくらい平気です。先程は、倒れ込んだせいか、急に気分が悪くなってしまって……」
女の子は、なぜか自戒するように、言った。





