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「俺が指し示した所にピンポイントでだ……できるか?」
チニチニの花の調達クエストでのスライムとの群れとの戦闘それにこのデエカの実の調達クエストでのスライムの群れとの戦闘を通して、イフの戦闘能力について、わかったことがある。
戦闘スタイルと言いかえてもすなわち換言してもいいだろう。
(相手を正確に撃ち抜く射撃力……)
端的に言えば、狙いが正確なのである。
「……ピンポイント?」
と、オウム返しに聞いてきたイフに対して、俺は、頷いて、
「ああ。びたにピンポイントでの狙撃だ」
と、返した。
俺とイフとの狙いの正確さの差は、おおざっぱに言ってしまえば、以下のようである。
ボーリングで二人ともカーブをかけずに真っすぐにボールを投げたと仮定して、俺は真っすぐに投げたつもりでもへろへろとボールのラインが蛇行するのに対して、イフは真っすぐにイメージどおりにぶれずにボールを投げることができる、そのような差である。
間違いなく、射撃力というかスナイパー力というか、これについては、イフが俺を上回っているだろう。
だから、俺は、イフにピンポイントでの狙撃を頼んだのだ。
「……どうしてですか? あの……っ」
俺は、思いきりイフにぐっと顔を近づけた。
「……んっ?」
俺と驚いたイフのおでこが軽く触れあった。
イフの体温を感じた。
「今は、俺を信じろ」
「……ぁ」





