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高位魔法"暴風塵斬"は、巨大なレーザービームの一閃の暴風バージョンとでも表現できるだろうか。
「……っはぁっ……」
俺は、大きく息をついた。
技を放った後の虚脱感が、すさまじかった。
ふらふらするいやくらくらする、いや両方だからふらっくらする、いやそういう感じのさらに何段階か上をいく疲弊感である。
学校のマラソン大会で完走しきって校庭にへばっている状態みたいなものだ。
手足がいうことをきかないし何だか無性に水分を補給したくなっていた。
この状態では、"暴風塵斬"のような大技はもう撃てないだろう。
「どう……だ?」
俺は、地上を見下ろしながらそう言った。
地上では、爆風が巻きおこりそして土煙がもくもくと立ち昇っていた。
爆風を中心として、"暴風塵斬"の余波、でデエカの大木の何本かが放物線を描くように切り倒されていた。
「……すご……い」
と、イフが、かすれた声で言った。
「高位魔法……何て威力……しかも、それを連続詠唱だなんて……」
イフは、それきりしばらく黙ってしまった。
暴風の殲滅である。
あっという間に、スライムの群れのすべては薙ぎ払われていた。
俺の魔法が発動してから、ほんの数十秒の出来事だ。
後は、デエカの落ち葉の絨毯という森の風景があるのみである。





