表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

562/4637

4-350

 剣の切っ先がきらっと光りを帯びるポーズもとい構図は、とにかく格好よさマックスなのである。


 小さい頃に自宅の和室で、画用紙を丸めて作った剣もどきでそのポーズを真似てどや顔で(たたず)んでいたところを妹に見つかって、あああともだえたことは黒歴史であるし、ここでは割愛(かつあい)でいいだろう。


 ただ今、俺の高位魔法で創り出されている不可視の風の巨剣(きょけん)は、そんなポーズがとれそうなぐらいの迫力はあると言っても、大げさではない。


「……等しき殲滅(せんめつ)を与えよ……!」


 と、やけに落ち着いた魔法の詠唱の文句が紡がれていた。


 詠唱が終わり、高位魔法が発動した。


(これで……()ぎはらってやる!)


 風が、うなる。


 一気呵成(いっきかせい)、これで勝負を決めるつもりだった。


 そして瞬間、ごおんっと荒ぶる低音が大気を震わせた。


 魔法の詠唱者である俺を中心に、激しい風の(うず)が巻き起こったのだ。


「……高位魔法……!」


 と、俺は、高々と宣言した。


 ぐおんっと大気が、猛々(たけだけ)しく揺れた。


「"暴風塵斬(ブレイジング・ストーム・ブレイド)"……っ!」


 俺は、当たり前のようにその魔法の名前を(つむ)いでいた。


 また台詞にエコーがかかっているかのように、それらしく唱えられた魔法だ。


 魔法名もまた、当たり前のように相変わらず、王道かつ鉄板の右手がうずく系のネーミングセンスである。


「暴れ狂う……暴風……っ!」


 と、イフが、愕然(がくぜん)とした様子で言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42bpk4s771sz1iupmgjda531438n_aix_5k_8c_2
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ