表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

558/4636

4-346

 すべての視界が、ナイトビジョンによる無色彩の映像のように変容した。


 一瞬で、見えているものすべてが緑の単色に染めあげられた。 


 この緑のモノクロームの視界は、格闘ゲーム、いわゆる格ゲーでの超必殺技を使った際の演出である画面の暗転に似ている。


(……こい!)


 俺は、引き寄せるべき技のコマンドを強くイメージした。


 はたして、閃光が(はし)って、文字列が

(ひらめ)いた。


 236236+大K。


 通常の技よりも上のランクと言ってさし支えない、いわゆる大技のコマンドである。


 236236+大Kというコマンドは、この戦闘で多用している6+小Kや236+大Kというコマンドよりも、複雑なものである。


 236+大Kと比べても、レバーを余計に90度回転入力する必要がある。


 入力の難易度も上がるし手間と時間もかかるし、入力失敗のリスクも上がる。


 コンパネのアーケードステックをさばくように、俺は、浮かんだ文字列に導かれるように脳内でそのコマンドをなぞっていた。


「……っ」


 ぐんっと一気に身体に負荷がかかっていくのが、わかった。


「ソラ……っ?」


 心配そうに小さな体を寄せて聞いてきたイフに、俺は、


「……問題ない。大丈夫だ」


 と、言った。


 胸や手や足などにきゅうっと(あつ)がかかった。


 まるで、身体全体が血圧計に包みこまれて力がじわじわと加えられているような感じである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42bpk4s771sz1iupmgjda531438n_aix_5k_8c_2
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ