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俺とチンピラ二人は、にらみ合ったまましばらく動かずにいた。
「あの身のこなしは……素人じゃねぇ。もしかすると、やつは、冒険者か!」
俺に倒された仲間のチンピラBが倒れ込んだままの姿を見て、チンピラAは、すっかり動揺していた。
「冒険者……ああ、そうかもしれない、それも、とびきりのな……。A級……いや、あの動きは、S級……かもしれない」
と、チンピラCは、精一杯冷静を装いながらという様子で、言った。
チンピラAは、愕然とした様子で、
「S級っ!バカな、冗談だろ?」
「お前も、やつの動きは、見ただろう。あいつが倒されたのは、やつの純粋な体術によるもの。しかも、魔法による自己強化の気配は、一切感じなれなかった。つまり、やつの素の強さというわけだ」
と、チンピラCが、言って、
「……やつめ。はったりだと、俺たちに誤った認識を与えながら、実は、はったりではなかった。まさに、裏の裏というわけだ。いや、裏の裏の裏か!」
と、言った。
チンピラAは、さらに愕然とした様子で、
「裏の裏の裏だって……!」
「この俺に、はったりだと考えるとは考えすぎだとまで、考えさせるとは。俺を欺くほどの策をろうするとは、こいつは、ただ者じゃない……!」
「知恵者のお前でも、見抜けなかったのかよおっ」
とりあえず、チンピラたちのやり取りで、動揺しまくっているのは、よくわかった。
しかし、何だか、敵がたのやり取りが、くどいし長すぎはしないだろうか。
しかも、中身があるようで中身が今一ないという、冗長な間延び感満載の会話だ。
週刊誌が原作のアニメで原作に追い付かないようにひたすら戦闘シーンを引き伸ばしたり会話シーンをひたすら引っ張る、あの感じに、似ている。
何とも、テンポ感のない戦闘シーンである。





