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べつにイフの中の女神のイメージはそのイメージで、そのままでいいだろうと思ったからである。
わざわざそのイメージを壊しても、詮のない話だ。
俺は、野暮なことはしない主義なのだ。
ヒゲのサンタクロースはいたほうが楽しい。
わざわざそれにツッコむのは野暮というものだ、それと同じである。
(ひとつ貸しだぞ、女神様……)
と、俺は、心中苦笑いした。
イフは、続けて、
「また聖典によると……」
俺は、手で制するように、
「まだ……あるのか?」
と、聞いた。
俺たちは、満身創痍、スライムに囲まれているのだ。
グダっている場合ではない。
「まだ、話途中です、ソラ」
目がくるくるしたまま、こんらんのステータスがついたままと思われるイフは、
「女神エスト様は静謐な御心で『穏やかな心の中にも静かに情熱をもちなさい』とおっしゃったそうです。至言です」
と、言った。
「……おう」
そう俺は短く返した。





