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少女は、両手で、ガッツポーズをとった。
何とも萌えるしぐさではあるがキャラがぶれていると思うし、可愛い声で言われても迫力が皆無である。
「名残惜しいのですが、そろそろお別れの時間です」
と、少女が、言った。
「ラジオ番組のエンディングのようなノリだな」
「ちなみに、エンディングテーマは、私が歌っています。少ししんみりとした気分になれるバラード調です」
「いや、曲のキョの字も、流れていないよね。しかも、ラジオ番組をやって、エンディングテーマを自分を歌ってるって、どんだけ世俗まみれのまみれの女神なの?」
「エンディングテーマは、セルフカバーしたものです。Bメロ後の展開が、少し変わったのです」
「いや、聞いてないからね。そんな情報は!」
「この番組は、みなさまの暮らしと生活を応援する○○○○の提供で、お送りしました」
「もう無理やりだろう、それ!」
以上の発言は、俺とそのある少女との会話の抜粋である。
改変や演出などはいっさいしていない。
素の会話そのままだ。
思いおこしてみても、何とも破天荒ときどき支離滅裂なやり取りだった。
そして、そのやり取りの相手こそ女神である。
大きいくりくりとした澄んだ瞳と、腰までかかるライトブルーのロングヘアが、印象的な女神エストその人だ。
(女神エスト様……か)
と、俺は、心中肩をすくめた。
神々(こうごう)しいイメージからはほど遠い、熱血っぽかったりラジオのDJめいていたり歌ったり、マルチで俗っぽさ満天の女神様である。





