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4-321

 イフの手足が、かくかくと震えていた。 


 ぴゅううううっと風が、むなしく鳴った。


「イフぅぅぅっ!」


 間髪入れずの俺のツッコミがあった。


 不意打ちをくらった感満載の悲痛な呼びかけである。


「だだ大丈夫っ? わわ私は……うんっ、れれ冷静ですっ」


 かわいらしくガッツポーズをとりながら、目をぐるぐると回しているイフである。


「……」


 ぜんぜん冷静でもないようである。


 いや、むしろ軽いパニックになっているようだ。


 テンパりもテンパりである。


 麻雀で言えば、負けがこんでいてもはやとんでしまうしかない、何の牌をきっても絶望的、ぐらいのテンパりっぷりだ。


「お、落ちつけ!」


 叫んだ俺は、がばっとイフの肩をつかんだ。


「落ちつくんだっ!」


 イフの肩の体温を手の平に感じながら、軽くイフの身体を揺らした。


「ももももちつついていますよよよ……?」


 かくかく震えながら、イフが言った


(もち)つかなくていいんだっ! 磯部餅(いそべもち)は俺も好きだが、とにかく餅をついてる場合じゃない! 落ちつくんだ!」


 俺は、イフをしっかりと見つめた。

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