異世界転生の有期契約住人 ～格ゲー仕様チートと錬金術師の白ワンピ少女～

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「……ふっ」

　思わず息がもれていた。

　テンパっていた自分が恥ずかしくなった。

　イフの言うとおりだ。

　予想外すなわち不測(ふそく)の事態に対応できてこそ何とやら、だろう。

　動揺は、しくじりを誘発(ゆうはつ)するだけだろう。

（……どうやら、チキってしまっていたのは俺のほうだったようだな……）

　と、俺は、思った。

　心の中で自虐的に苦笑した俺である。

「イフ……」

　光明を見出した俺の呼びかけである。

「……さすがだな。俺が心配するまでもなかったな」

　と、俺は、言った。

「……はい」

　幼いながらも綺麗に整った凛々(りり)しいイフの顔だ。

　これほどに窮地(きゅうち)に立たされている中でのイフの頼もしい様子に、俺は、にやりと笑った。

　不敵な笑いというやつだ。

　俺とイフの間に、緊迫の沈黙が流れた。

　イフは、一拍置いてから、

「とととりあえず最後にせめて女神様におおお祈りしましょう……？」