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「……何か策があるのですか?」


 不安を押し殺しながらそれでも希望にすがるような声で、イフが、聞いてきた。


「……ふっ」


 少しうつむいた前髪が、俺の表情を隠した。


 さながら起死回生(きしかいせい)の逆転劇をなしとげる主人公でもあるかのように、俺は、不敵にため息をもらしたのだ。


 口元だけほほ笑んだ俺を見て、イフの声のトーンが少しだけ明るくなった。


「ソ、ソラぁぁぁっ!」


 希望を見いだした呼びかけである。


 かりそめのハッタリの大波(ビッグウェーブ)に乗っている俺が言えることは、


「策は……」


 うんうんと頷きながら、真摯(しんな)な表情のイフは、


「策は……?」


 俺とイフの間に、緊迫の沈黙が流れた。


 俺は、一拍置いてから、


「……今考えている」


 ぴゅううううっと風が、むなしく鳴った。


「ソラぁぁぁぁっ!」


 間髪入れずのイフのツッコミがあった。


 いきなりはしごを外された感満載の悲痛な呼びかけである。


 数秒の間、二人とも無言だった。

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