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 イフは、首肯(しゅこう)して、


「私もそこまで召喚魔法に詳しいわけではありません」


 と、言った。


「……でも、召喚の魔方陣の大きさは、召喚されるモンスターの強さと数と関係しているはずです」


 俺を見上げるような姿勢のイフは、毅然(きぜん)とした態度だった。


 ただ、動揺しているのは、すぐにわかった。


 普段は折り目正しく丁寧で冷静といっても、この状況では無理もない話だ。


 スライムのゼリー体が、ひしめきあってうごめいていた。


 まさにゼリーの壁だ。


 リング状の分厚いゼリーの壁に取り囲まれてしまっているような感じである。


「強さと数、か……」


 と、俺は、静かに言った。


 今の今までは、俺たちが気づかないようなペースと規模で、少しずつ召喚されていたのだろう。


 召喚されるモンスターの数と魔方陣の大きさがある程度比例するというのであれば、少ない数の召喚ならば小さい魔方陣になるのではないだろうか。


 そして、小さな魔方陣では、その存在はこのうっそうとしたネムリアの森の風景に埋没してしまっていたのだ。


 だからこそ、俺たちは、魔方陣の存在に気づけなかったのだ。


(くそっ)


 俺は、心中悪態をついていた。


 何かや誰かにではない。


 他ならぬ俺自身にだ。

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