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ぱああっと魔方陣全体から、上空に伸びていくような閃光が立ち昇った。
目をつむってしまうようなまぶしさに、
「なんの……光いっ?」「なんの……光いっ?」
今度は、俺とイフの二人でハモって声が出ていた。
閃光は、一瞬だけだった。
そして、一瞬にして、スライムの群れが現れた。
「……な!」
俺は、言葉に詰まった。
群れ、いやこの言いかたは適切ではない、というか大群である。
その数たるや、百匹、だろうか。
「召喚……っ! ……そんな!」
と、言って、イフは、ずっと後ずさりした。
「マジ……か……っ!」
俺は、そんなありきたりの月並みな驚きの声しかあげられなかった。
スライムたちは、うようよとうごめいていた。
「召喚の魔方陣……」
イフの呻くような声が、この現状を端的に表していた。
パズルで欠けていたピースが見つかって、急にパズルが完成していくような感覚に、俺も、
「そういう……ことか!」
と、呻くように言った。





