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格闘ゲームでは、フレームという考え方が非常に重要である。
60フレームは1秒で、秒を60分割するのが標準的仕様だ。
技のモーションやヒット時やガード時の有利及び不利など、様々な場面で、フレームの概念が重要になってくるが、ここでは割愛したい。
技のコマンド入力のみに着目する。
レバーが一定のフレーム内に入力された後にさらに一定のフレーム内にボタンが押されればコマンドとして成立する。
当然、入力内容が長ければ長いほど複雑であれば複雑であるほど、必要とされるフレーム数は多くなり、それは必然的に技が出るまでの時間に直結する。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
俺は、両手に熱を感じた、力が蓄積されていくような感覚である。
この技を使うのは、二度目だ。
やはり、コマンドが長いとその分、入力までと技の発動までに時間がかかるのかもしれなかった。
コマンドの入力が、完了した。
自身の周りの大気が、震えているのがわかった。
「このプレッシャーは……まさかっ?」
イフが、俺の技の正体を察したのか、目を見開いた。
イフの白銀の髪が、ばさばさと揺れていた。
「そは威風にして流麗……そは突風にして剣……」
俺は、言葉を自然と紡いでいた。
勝手に台詞が口をついて出てくるのである。
「……やっぱり! 高位詠唱魔法……!」
イフが、声をあげた。





