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もちろん、勘違いとか思い過ごしだとは思いたいのだ。
しかし、きちんと拭いたのに残ってしまっている服の染みのように、消えなかった。
(……なんだっていうんだ)
俺は、そんなまとわりつく不安を振り払うように奔った。
スライムが、俺の剣によって真っ二つになった。
俺は、発動した"入力実装"の高速移動を駆使しつつ、スライムたちをどんどん斬りふせていった。
俺の脳内では、コマンドが加速度をつけてどんどんと閃いていた。
閃くままに、コマンドをイメージでなぞりとっていく。
(こい……っ!)
また閃くと同時にコマンドを即入力、この連続行動だ。
感覚としては、格闘ゲームのトレーニングモードでどんどんと次々に課題のコマンド入力をしていっているような、そんな感じだ。
(だいぶなじんできたな)
と、俺は、思った。
トレーニングモードも、初級者コースは楽勝という勢いだ。
格闘ゲームを楽しんでいる諸兄姉も少なくないだろう。
格闘ゲームのトレーニングモードは、だいたい三種類に大別できる。
すなわち、初級者コース・中級者コース・上級者コースである。
初級者コースでは、そのキャラの通常攻撃・レバー入れ特殊攻撃・必殺技・超必殺技のコマンドを一通り練習する。
そのキャラの特性をつかむには、もってこいである。
この初級者コースをマスターすれば、そのキャラを最低限動かせるようになるのである。





