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俺は、エクスカリパーを左斜め下に構え、走った。
「おおおおおっ」
俺は、叫んだ。
駆けながら、俺の"入力実装"は、すでに発動されていた。
一瞬にして、すべての視界が、ナイトビジョンによる無色彩の映像のように変容する。
緑のモノクロームの視界は、格闘ゲーム、いわゆる格ゲーでの超必殺技を使った際の演出である画面の暗転に似ている。
剣を振りかぶりながら、閃いた文字列をなぞりとった。
6+少P。
強烈な衝撃が生じさせる、掌底打ちだ。
俺の拳撃によって、三匹のスライムたちは団子状態になった。
「このまま……刈り取る……っ!」
そこに、俺の左下から右上への斬りあげ攻撃が、突き刺さった。
スライムたちのゼリー状の体が、ぱんぱんとはじけ散った。
「この前のニチニチの花の調達クエストと今回のデエカの実の調達クエスト、両方ともエリア的には、そうそうモンスターが出没しないんだろう?」
俺は、隊列の残りの二匹の内の一匹を斬り捨てながら、叫ぶように聞いた。
このネムリアの森も調達エリアは森の入り口付近でモンスターの目撃情報は今までにないと、冒険者ギルドの受付嬢のマーシャルが言っていたが、事実としてはこうしてスライムたちと戦闘になっているのだ。
「はい」
イフも、臨戦態勢を崩さないまま、大きな声で応じた。
「だが、実際は、二回ともモンスターと戦闘になっているんだ」
と、俺は、走りながら言った。





