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 思いっきりかっとばしてこいとベンチから送り出されたにもかかわらずいざバッターボックスに立ってみたらベンチにいる監督からスクイズの督促(とくそく)のサインがあったようなものである。


 テレビでの料理番組で打ち合わせ段階では今日はハンバーグを作るということになっていたにもかかわらず生放送本番中に料理家の先生がいきなり今日はピーマンの肉詰めを作りますと言い出したようなものである。


 ライブで盛大なアンコールがかかってアイドルが最後の一曲をみんなに届けるねと言ったにもかかわらずいざ歌ったのはそのアイドルがカラオケで練習しまくっていたヴィジュアル系バンドの曲をヘヴィメタ調に歌い出したようなものである。


 しかしである。


 この路線変更には、俺なりの理論(ロジック)があった。


 理論などと言えば少し大げさだが、ようは理由である。


「この作戦の意図(いと)は、温存だよ」


 と、俺は、言った。


 イフのサイドテールが、ちょこんと揺れた。


「無駄撃ちは避けたい。頼りの(つな)は、とっておきたいんだ」


 と、俺は、言って、


「一度あることは二度ある。だったら、二度あることは三度あるかもしれない」


 と、続けた。


「……」


 (さと)いイフらしく、この俺の(げん)に敏感に反応していた。


「またこういう戦闘があるかもしれない……ということですか?」


 と、イフが、聞いた。


「ああ」


 俺は、軽く頷いた。


 スライム五匹の隊列が、俺たちに迫っていた。

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