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 イフは、不思議そうな顔をして、


「あ……でも、となりの家のパリーピさんが……」


「パリーピぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……っ!」


 (びょう)でツッコんだ俺である。


 面識のないイフの家のとなりの家のパリーピなる人物をもはや呼び捨てにすらしている俺である。


「えと……そんなに、パリーピさんのことが気になるのでしょうか?」


 と、イフが、とまどいながら聞いた。


 俺は、目まいをふるはらうように頭を軽く左右に振って、


「……いや、パリーピさんのことは気になる。正確には、パリーピさん本人が気になるわけじゃないんだが、今はパリーピさんのことはおいておこう」


 俺は、呼吸を整えて、 


「……疑似魔法の調整行使(アドリブ・リリース)、だったか?」


 俺は、頭の中でモザイクのかかっているパリーピなる人物像にバッテン印をつけて、イフに聞いた。


「魔法瓶一つで擬似魔法を複数回使えるということか……?」


 俺は、思いついた疑問を、そう口にしていた。


「その通りです」


 イフは、頷いた。


「使用可能回数は、使用者のアドリブで調整できます」


 と、イフが、言った。


「アドリブ……?」


 と、俺は、オウム返しに聞いた。

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