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パリーピなる人物が、どんな人物か知る由もない。
しかしながら、である。
パリーピさんが偏っていたり誤っていたり微妙な知識をイフに教授しているのは、間違いなさそうである。
真面目で素直なイフは、それを真に受けているのだろう。
(……とんだ伏兵っ!)
俺は、心中かみしめるようにつぶやいた。
スライムとの戦闘中でままならない俺にとって、新たな気にかかる要素を提供してくるパリーピなる人物は、新手に等しかった。
電車の中での試験勉強中に電話しかも学校の先生からで出られないのにとにかく気になる、そんなシチュエーションに似ていた。
そんなやきもきしている俺の内面の事情など気づかないふうのイフは、先程らいのどやあな表情で、
「できる女なので、同伴もアフターも必ずソラを満足させられる自信があります」
と、言いはなった。
一大事である、のっぴきならない発言である。
「ちょとぉっ? 言いかたぁっ! できる女の使いかたぁっ!」
俺のエクスカリパーが、ぶんぶんと揺れた。
「肯定も否定もしないけれどもいやそれ以前に俺自身もそんなに意味は知らないけれども、夜の業界の言葉だよねっ? 意味わかって使ってるのっ?」
俺は、半ばまくしたてるように言った。
同伴もアフターも、大人が使っている言葉だったはずだ。
酒と会話を楽しむような夜の飲食店やそういう業界の言葉だったはずである。
詳しい内容は、俺も、知らない。
しかし、俺の想像によれば、以下のようなことだったはずだ。





