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ここまで、俺は、心の中でロジックを組み立てていたわけなのだが、ふと違和感を覚えていた。
自分でしゃべっていて、なにか違和感を覚えたのだ。
疲れきっていてついスパゲッティをスプーンで食べようとしてしまっ朦朧とした頭でごんやりと何だか違うなと思っているような、そんな違和感だ。
ここまでの戦闘を思い返してみた。
「ええと……」
現在進行形のこの戦闘を振り返ってみた。
ぽくぽくぽくぽくぽくぽくぽくぽくちーん、これは俺の脳内イメージである。
(……そうか!)
ひらめきの閃光奔る、である。
俺は、ひとりはっとしていた。
イフの疑似魔法"小さな赤"は、この戦闘においてもう何度か目にしているのだ。
「……すると」
俺は、俺自身の考えに誤りがあるのではないかと思った、いや実際半ば確信しつつあった。
「もしかしたら、魔法瓶一つで擬似魔法一回……じゃないのか?」
俺は、思いついた疑問を、そう口にしていた。
「その通りです……どやぁ」
イフは、サイドテールをぴょこんとさせながら頷いた。
「基本的には、ソラの言うように、一つの魔法瓶で一回の擬似魔法です」
と、言いながら、イフは、すっと人差し指を真上に立てて、
「しかし、何事にも例外はあるのです……どやぁっ」





