2-17
「……っ!」
チンピラBは、呻いた。
「……こ、こいつ!」
チンピラAも、それに同調するように、俺の強者のオーラ(演出)に気圧されたように、後ずさりしていた。
チンピラCは、唇を噛んで、
「やはり、何か隠し持っていやがるな……」
何か、流れがきているな気がした。
麻雀で言えば、流れがある時で、ツモがとんとん拍子で完成形に近づいていくし、捨て牌もロンされることもなく、すべてが上手くいっているような状態だ。
麻雀のツモは基本ランダムだ。
誰も次に来るツモを知ることはできないから、ツモは完全に運によって決まる。
その運が来ているとき、すなわち流れがあるときは、ツモをするたびに、有効な牌がやってくる。
流れが来ているときは、上がることができるので勝負に出ることができるのである。
しかし、この流れを台無しにしたのが、チンピラCだった。
「……いや、やっぱり、俺の考えすぎかもしれん。単なるやつのはったりかもしれない」
と、知恵者と呼ばれていたチンピラCが、ふと思いついたように、さらりと言った。
(……ちょっとおおおおおおおおおおお!)
俺は、心中ツッこんでいた。
せっかくきていた流れをぶった斬る一言だ。
ずばり、チンピラCの言っていることは、残念ながら、正解である。
つまり、一連の挙動は俺のはったりにすぎない。





