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その時、新たなスライム三匹の隊列が、突進してきた。
「次……っ?」
はっとした様子で、イフが、叫んだ。
「だなっ」
俺は、若干の手足の疲れを覚えながら、イフに応じた。
隊の真ん中のスライムが、ぷよんっと高々(たかだか)と跳ねた。
俺たちを踏み潰す勢いだ。
「その話は後だなっ」
「ですねっ」
リリーカルナ式喧嘩術のことは少し気になるが、後回しである。
実を言えば結構気にかかっているが、とにかく後回しである。
俺たちは、スライムの群れに斬り込んでいった。
俺が前衛でイフが後衛の編成がよいと考えるもう一つの理由は、こちらの攻撃回数だ。
魔法使いは、無限に魔法が使えるわけではない。
これがRPGの世界での鉄板の掟である。
魔法を使用するとMPを消費するし、MPがなくなれば魔法は使えなくなる。
この異世界でも、このルールが当てはまるのかどうかは、わからない。
しかし、擬似魔法に関して言えば、別だ。
擬似魔法には使用回数に制限があることを、俺は、すでに理解している。
イフの擬似魔法を見ていれば、わかることだ。





