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ここにきて、唐突である。
まったくして不意に、イフが、厳かな口調でしゃべりだした。
前後の脈略すらなく、それは、突然のナレーション調の口調である。
特使効果のエコーでもかかっていそうな、そんな意味深な口調である。
紹介デモンストレーションのような、謎の口調である。
「リリーカルナ式喧嘩術……それは、……と……をかけあわせたまったく新しい格闘術……」
と、イフが、言った。
「……えっ?」
俺は、思わず聞き返していた。
ずむずむというスライムの行進の音に、イフの言葉の一部がかき消されたのだ。
しかも、何だか肝心なところを聞きはぐったような気さえした。
「リリーカルナ式喧嘩術……それは、……と……をかけあわせたまったく新しい格闘術……」
と、イフは、言った。
「……えっ?」
俺は、思わず聞き返していた。
やはり、ずむずむというスライムの行進の音に、イフの言葉の一部がかき消された。
しかも、やはり、何だか肝心なところを聞きはぐったような気さえした。
「大事なことなので二回言いました」
イフは、真面目な調子でガッツポーズをとりながら言った。
イフは、重々しい調子で言ってくれたものの、イフの外見と幼めな声だから、今ひとつマッチしていない感があった。





