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4-252

 ここにきて、唐突(とうとつ)である。


 まったくして不意に、イフが、(おご)かな口調でしゃべりだした。


 前後の脈略(みゃくらく)すらなく、それは、突然のナレーション調の口調である。


 特使効果のエコーでもかかっていそうな、そんな意味深(いみしん)な口調である。


 紹介デモンストレーションのような、謎の口調である。


「リリーカルナ式喧嘩術……それは、……と……をかけあわせたまったく新しい格闘術……」


 と、イフが、言った。


「……えっ?」


 俺は、思わず聞き返していた。


 ずむずむというスライムの行進の音に、イフの言葉の一部がかき消されたのだ。


 しかも、何だか肝心なところを聞きはぐったような気さえした。


「リリーカルナ式喧嘩術……それは、……と……をかけあわせたまったく新しい格闘術……」


 と、イフは、言った。


「……えっ?」


 俺は、思わず聞き返していた。


 やはり、ずむずむというスライムの行進の音に、イフの言葉の一部がかき消された。


 しかも、やはり、何だか肝心なところを聞きはぐったような気さえした。


「大事なことなので二回言いました」


 イフは、真面目な調子でガッツポーズをとりながら言った。


 イフは、重々しい調子で言ってくれたものの、イフの外見と幼めな声だから、今ひとつマッチしていない感があった。

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