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「わかりました、ソラ」


 イフは、俺にむかって言った。


「こうして実際に戦ってみて納得しました」


 イフの息は、少しあがっていた。


 白のワンピースから見える小さな肩が、小さく上下していた。


 俺自身、人のことは言えないが、まだまだ実戦慣れしていないのだろう。


「前衛と後衛によるツーマンセルということですね」


 自然な感じできり出したイフである。


 イフは、俺の意図(いと)をくみ取ってくれたようだった。


「そういう……ことだっ!」


 俺は、スライム三匹を斬りふせながら、そう応じた。


「前衛は、ソラのほうが適しているでしょう。賢明な作戦です」


 と、イフが、言った。


「たしかに、近距離戦は、私は得意ではありません。体術も、ごく簡単なものしか身につけていませんから」


 俺は、思わずえっという顔になった。


「体術、いけるのか?」


 意外に思って、俺は、そう聞いていた。


 俺の手前勝手な先入観だが、体術とイフとはイメージ的にすぐには結びつかなかったのである。


「えっと……」


 言いよどんでいるイフは、もじもじしていた。

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