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俺の剣、エクスカリパーはそこそこの重さなのだ。
だいぶ慣れてきたとはいえ、構えているだけでも、じんわりと腕が痺れてきていた。
「ソラ」
言いきかせるようなイフの呼びかけの声だ。
「質問は一度に一回がいいですよ」
と、イフが、人差し指を上にして言った。
まるで子供にめっと注意するようなお姉さんぶったしぐさである、正直まるで似合っていない。
「質問しているんじゃなくて、ツッコんでいるんだよ!」
と、俺は、即座に返した。
「……くっ」
俺は、片膝をついてしまいそうな勢いでうめいた。
「……とにかく、俺のメンタルがこれ以上は持たなさそうだ……」
過剰なツッコみは、コーヒーの中に角砂糖をどばどばと投入するようなものである。
いきすぎた甘さにもだえるのと同じように、精神の摩耗も招きかねないのだ。
「はっきり言われるのは嫌いではなかったのではないのですか?」
と、イフは、不思議そうに小首をかしげた。
「たしかにほんの数分前にそう言ったけと、時と場合によるかなっ?」
俺は、思わず大きな声をあげていた。
その時である。
「……っ!」





