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「だよな」
少しだけほっとした俺に、イフは、
「だいたい、五倍盛りくらいです」
と、きりっとした表情で言った。
「盛りすぎぃっ!」
牛丼でつゆだく大盛りにするどころの騒ぎではない、丼からはみ出すほど、いや新たな丼を用意しなければならないレベルである。
「そんなに盛っちやったら原型とどめていないよねっ? 俺の想像イメージじゃなくて、もうそれ創作イメージだよねっ?」
「言われてみれば、そうですね」
イフは、素直に頷いた。
「ソラは、とても頼りになって知識も豊富で実行力もある……そんなイメージです」
「そういうイメージ持ってくれるのはありがたいけれど、そのイメージからどうやったら、今の真似につながるのっ?」
「やっぱり……? 私の真似似てなさすぎ……」
イフは、驚いたように小さな両手で口元を覆うようなしぐさをした。
がーんというSEが聞こえてきそうな感じである。
「それはもう、さっき見た!」
俺は、息をついて、
「……それに、どこでそんなウェーイ系の言葉づかい覚えたんだ?」
と、聞いた。
ウェーイ系は、ノリがいい明るい人々のことである。
ノリがよすぎて軽薄な言葉づかいを否定的に捉える見方もある。





