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「えっ……? 私の真似似てなさすぎ……」
イフは、驚いたように小さな両手で口元を覆うようなしぐさをした。
がーんというSEが聞こえてきそうな感じである。
「そうですか? そんなに似ていませんでしたか? ……結構似ている自信があったのですが……」
イフが、気落ちしたようにうつむいた。
ずーんというSEが聞こえてきそうな感じである。
「そこ残念がるところっ? だいたい、イフの中での俺のイメージは、そんな感じなのっ?」
と、俺は、言った。
「そんな感じです」
顔を上げたイフは、即答である。
「すがすがしいほどまっすぐな目で肯定しているなぁっ!」
「私の考えたソラ像です。私の中のソラのイメージです」
まだせめて、小学生の男の子が言うような、僕が考えた最強のロボット的なプラスイメージならば、ありがたかったかもしれない。
「ショック! せめて少し盛って大げさに言っていますくらいのフォローほしいぞ!」
ものまねは、本人の特徴をつかんでそれを少しおおげさに演出することが定石である。
そのおおげささがうまく機能すれば、本人によく似ているものまねということで、お客ウケがいい。
逆に、そのおおげささがそもそも特徴をつかみ違えていたり暴走してしまうと、本人とはかけ離れたものまねになってしまうのだ。
俺は、後者であると思った。
「さすがです、ソラ。私の中のソラのイメージを少し誇張しました。ですから、想像で真似ている部分もありました」
と、イフは、言った。





