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「……気分的なもの、ですか?」
イフが、そんな聞きかたをした。
「……かもしれない」
俺も、何だか曖昧模糊な返しかたをした。
「……何かふわっとしていますね?」
イフのトレードマークのサイドテールの髪がふわっと風に揺れた。
「……俺も、ふわっとしていると思う」
「……」「……」
俺とイフは、顔見合わせた。
(……くっ)
スライムの群れがもうそこまで迫っているというのに、俺たちは何をやっているのだろうか。
「……気分的なもの……」
イフが、親指を小さなあごに当てて考えるしぐさをした。
「わかり……ました!」
イフが、真剣な表情で頷いた。
「『ちょっと戦術っていう言葉なんだけど戦術とも呼ぶんだぜ。って言うか、こっちの呼びかたのほうが通っぽくて格好よくね? つーか、そもそもそういう呼びかたを知ってる俺格好よくね?』……という気分的なものですか?」
「ちょっと的確すぎぃっ! おそらくは六割がた当たっている指摘すぎぃっ!」
俺は、ツッコんでいた。
「それと、俺を真似てくれているんだろうけど、俺に似ていないからねっ? ミリも似ていないと思うよっ!」
と、俺は、追いツッコみをした。





