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「ああ、そうだ」
俺は、大きく頷いた。
デエカの落ち葉を踏みならしながら、スライムの包囲網が、俺たちに迫っていた。
対峙するスライムはおおよそ五十匹、俺とイフのツーマンセルで乗りきる算段だ。
俺は、頭の中で考えていた戦術を提案することにした。
「イフ。提案がある」
と、俺は、言った。
「はい。何でしょうか?」
俺は、イフが握っている小さなガラス瓶を見た。
擬似魔法の力が込められている魔法瓶である。
「イフが持ってきている魔法瓶は、五つだよな?」
と、俺は、イフに聞いた。
イフは、はいと頷いた。
「それなら……」
そう言った俺は、ざっとイフの前に出た。
俺は、剣をスライムたちに向かって真っすぐに突き出しながら、
「前衛は、俺がやる」
イフは、少し不満そうに、
「ソラ。私だって、戦えますよ。今、ツーマンセルだって言ったじゃないですか?」
と、言った。





