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4-215

「……」


 (みなと)の勢いに、俺は押し黙ることしかできなかった。


 湊の眉毛(まゆげ)が逆ハの字に歪んだ。


「安地? ずらし弾よけ? 点数稼ぎ? 気合避け? エクステンド? 嘘避け? ……わからない……」


 湊の手に握られていたコントローラーが、静かに(たたみ)に置かれた。


 STG(シューティングゲーム)の専門用語の羅列(られつ)をしながら、湊は目を(うる)ませていた。


「……わからない……わかんないよ!」


 湊は、俺に(うった)えるように言った。


 タイトル画面のオープニングテーマが、流れていた。


「ぜんっ……ぜん、わかんないよ……っ!」


 湊の叫びが、和室に響いた。


「湊……」 


 湊は台風モードであり、間違いなく怒っていた。


 それはきっと、俺の軽率な手前勝手なプレイが原因である。


 二人三脚で相方(あいかた)の無謀な走りで転んでしまったようなものだ。


 俺は、そこまでは理解していた。


 しかしそこまでだったのだ、そこまでしか俺は辿りついていなかったのだ。


「わかん……ないよっ!」


 苦しそうに、湊が、言った。


 三十センチも離れていないところで、俺は湊の泣き顔を見ていた。

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