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4-213

 湊は、ぷんすかモードなどではなかったのだ。


 俺は見誤っていた。


 事態は、より深刻だったのだ。


 ぷんすかモードの上のお手上げモード、いやさらにその上の台風モードである。


 俺は、すでに暴風域に足を踏み入れてしまっていることに気づいた。


 ちなみに、雨合羽(あまがっぱ)もレインコートも傘も何一つ持たない状態で、暴風域に不用意に足を踏み入れたのである。


 そのような空気を、俺はひしひしと感じ取っていた。  


「……なんで……なんで二人で仲よくゲームオーバー画面を見なくちゃいけないの?」


 湊は、つぶやくように言った。


 俺は、両手をあげて手の平を湊に向けながら、


「……そ、そうだよな。悲しい事件だった……な」


「事件の元凶のお兄ちゃんが言うなしっ!」


 湊の感情ゲージが、急激にぐんぐんと上昇していっているのが、よくわかった。


 俺は、ぎこちない作り笑いをしながら、


「それは、俺が魅せプレイを……」


 俺の言葉をかき消すように、湊は、にっこりとほほ笑んで、


「……うん、わかってる。魅せプレイは、アウトロー……。アウトローは……不良ってことだよね?」


 と、言った。


 俺の背中にぴりりと緊張がはしった。


 その鋭さたるや、なにをどう誤ってか山椒(さんしょう)七味唐辛子(しちみとうがらし)をストレートで口の中に含んでしまったかのごときである。

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